オーガナイズドセッション

オーガナイズドセッション 1:治療

7月28日(金曜日) 午前10時10分から午前11時40分 第1会場

「画像ベース放射線治療における独創的研究展開」

オーガナイザー:有村 秀孝(九州大学)

イメージング技術や画像処理技術を駆使した放射線治療が一般的になっている.しかし,粒子線治療,機能情報の考慮,照射中の治療部位の可視化,予後予測,精密医療(precision medicine)への対応など,研究するべき多くの課題がある.そこで,本オーガナイズドセッションでは,さらに医用画像工学と関係する独創的な研究を紹介する.まず,キーノート講演では,名古屋大学の山本誠一先生に「粒子線治療におけるイメージング」(X線カメラと水の発光現象を利用した粒子線照射中イメージング)をご講演して頂く.次に,4人の講演者が「肺機能画像を用いた治療計画法」(東北大学角谷先生),「画像誘導放射線治療の先端技術:治療中に撮像されたコーンビームCTの利用」(東京大学芳賀先生),「脳腫瘍におけるレディオゲノミクス」(熊本大学内山先生),「レディオミクスベース放射線治療」(九州大学有村)に関する独創的な研究を紹介する.

座長:
有村 秀孝(九州大学)

  • 粒子線治療におけるイメージング(キーノート)
    山本 誠一(名古屋大学)
  • 肺機能を用いた治療計画法
    角谷 倫之(東北大学病院放射線治療科)
  • 画像誘導放射線治療の先端技術:治療中に撮像されたコーンビームCTの利用
    芳賀 昭弘(東京大学医学部附属病院)
  • レディオミクスベース放射線治療
    有村 秀孝
    (九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野)
  • 脳腫瘍におけるレディオゲノミクス
    内山 良一
    (熊本大学大学院生命科学研究部先端生命医療科学部門)

オーガナイズドセッション 2

7月28日(金曜日) 午後4時50分から午後6時20分 第1会場

医用画像データベース構築

オーガナイザー:八上 全弘(京都大学)

昨今,深層学習の台頭などの機械学習の進歩によりデータベース構築の重要性が増しており,その充実が期待される.しかし,個人情報保護の厳格化と倫理指針改定により施設外への持ち出しが非常に厳しくなっている.医用画像分野では,臨床の中で画像や画像診断レポートが大量に電子化された状態で保存されているが,画像上での病変の位置が記録されていない,所見が自由文で記載されて構造化されていないといった問題があり,人手でデータを精製しない限りは学習用データとして使うのが難しいという問題もある.
 そこで本セッションでは,これまでに医用画像分野で多数の症例を含むデータベースを構築した事例と,今後医療情報の二次利用を進めるために整備される予定である代理機関などの構想について情報を共有した上で,パネルディスカッションを行い,医用画像分野で有用なデータベースを構築していくために何をどうすべきかを検討する.

座長:
八上 全弘(京都大学),目加田慶人(中京大学)

  • 計算解剖学プロジェクトデータベース
    清水 昭伸(東京農工大学 大学院 工学研究院)
  • CIRCUSプロジェクトにおける継続的データ収集・活用
    野村 行弘(東京大学医学部附属病院22世紀医療センター)
  • 肺結節データベースの紹介
    ~京都大学キヤノン協働研究プロジェクトにて構築~
    八上 全弘
    (京都大学医学部附属病院 先制医療・生活習慣病センター)
  • 医用画像データベースを取り巻く法制
    -次世代医療基盤法などについて-
    黒田 知宏(京都大学医学部附属病院 医療情報企画部)
  • パネルディスカッション
    演者全員,座長

オーガナイズドセッション 3

7月29日(土曜日) 午前10時10分から午前11時40分 第1会場

多元計算解剖学若手セッション

オーガナイザー:北坂 孝幸(愛知工業大学)

座長:
北坂 孝幸(愛知工業大学)

演題名:
医用画像処理からの巣立ち ~新しい研究分野に挑戦して~(キーノート)

講演:
出口 大輔(名古屋大学)

[抄録]
本講演では,医用画像処理に軸足を置いた研究から私自身経験の無いITS研究分野に挑戦したこれまでの経験を紹介するとともに,そこで感じた研究分野を変えることの難しさ,新しいことへの挑戦の楽しさ,人との繋がりの大切さ,などについてまとめる.私自身は,名古屋大学工学部の4年生として鳥脇研究室の門をくぐり,博士号取得まで一貫して医用画像処理,特に気管支内視鏡ナビゲーションシステムの開発と関連するセグメンテーション技術の開発に取り組んできた.その後,縁あってコンピュータービジョン・パターン認識などの研究に軸足を移し,現在ではITSに関連する研究にも取り組んでいる.その間,研究分野を変えることの難しさや,新しいことに挑戦する楽しさを再認識することができた.特に,新しい人との繋がりは自身を大きく成長させてくれたと考えている.このような私自身のこれまでの経験が,今後新しい研究分野に挑戦する研究者の皆様の助けになれば幸いである.

パネルディスカッション:
「ポスト多元計算解剖学 ~ぶっちゃけ討論~」
多元計算解剖学を含む計算機による医療支援の分野は,目覚ましい発展を遂げています.AIが医師の読影能力を超えるradiological singularityに至るとき,多元計算解剖学はどうあるべきでしょうか?遠くない未来に備えて,今我々が考えるべきことは何なのか,若手研究者が虚心坦懐に議論します.

パネリスト:
花岡 昇平(東京大学)
植村 宗則(AMED/九州大学)
根本 充貴(近畿大学)
平野  靖(山口大学)
大西  峻(千葉大学)
出口 大輔(名古屋大学)
[世話人] 北坂 孝幸(愛知工業大学)

写真提供~岐阜市