ご挨拶

学会長ご挨拶

第36回日本医用画像工学会大会は岐阜大学教授藤田広志大会長の運営のもとで,2017年7月27日(木)から29日(土)の3日間,岐阜市じゅうろくプラザにて開催されることになりました.一年以上前から準備をされてきた大会関係者や事務局の皆様,そして企業の業務委員会の皆様のご尽力に厚く御礼申し上げます.
 昨年度の医用画像工学会大会でも,チュートリアル講演に取り上げられましたディープラーニング(深層学習)は人工知能(Artificial Intelligence: AI)の技術に基づいたものですが,このAI技術は碁や将棋の世界で一躍有名となり,さまざまな分野での応用が試みられています.医用画像の認識において画像データをそのまま入力し,パターン分類まで直結することができるディープラーニング技術は今後の発展が非常に期待できますが,今大会ではチュートリアル講演の他にもセッションを設けており,ディープラーニングが学会員の中でも本格的に研究されつつあることが推察されます.また,現在,膨大な数の様々な医療情報・画像がインターネット上に蓄積されてビッグデータを形成していますが,これらの情報をどのように医療に役立てることができるかというのも,我々が取り組まなければならない問題です.この際,画像の質や情報の正確さ,またプライバシーの問題もあり,しっかりとした枠組みの中で自由にビッグデータを用いた研究ができる環境作りも今後不可欠となるでしょう.さらに,本大会ではハンズオンのセッションを初めて設け,学会の場で実際に体験して理解を深めるような斬新な企画も予定されています.
 今大会の中では上記のさまざまな企画が用意されているので,会員の皆様には実りの大きい大会となると思っております.この大会における皆様の活発な意見交換により,医用画像工学の研究が大きく進展することを期待しています.

日本医用画像工学会
会長 尾川 浩一(法政大学)

大会長ご挨拶

この度,JAMIT2017(第36回大会)大会の大会長の重責を仰せつかり,大会初の岐阜の地での開催の運びとなりました.

皆様も感じられておりますように,いま第3次人工知能(AI)ブームの大波が,ついに医用画像領域にも次第に到来しつつあります.ディープラーニング(深層学習)技術を筆頭に,昨年の大会でもその波は強く感じられましたが,いま,ますます大波となって怒濤の如く押し寄せて来ようとしています.そこで,今大会では,「AIをより深く極める」ことをメインテーマにして,種々の企画を鋭意進めて参りました.

特別講演1として,日本IBM Watsonヘルスケア事業開発部の溝上敏文氏に,また,特別講演2として,米国Google ResearchのDr. Martin Stumpe氏をお招きいたしました.両氏には,いまAIをリードする両社のAI開発,とりわけ医用画像への取り組みの最先端について,ご講演いただきます.

初日の教育委員会企画の恒例のチュートリアルでは,AIの基礎から応用まで学べる構成となっています.ここでは,AI,機械学習,ディープラーニング(深層学習)の基礎と実践,医療への応用について3名の講師による解説講演があり,さらには先端企業講演と題してIoT時代の医療機器について,最新の知識が習得いただけると思います.また,教育委員会の初の試みとして,ハンズオンセミナーを企画しました.ここでは,ディープラーニング技術を持ち込みのノートPCにより習得できるように少人数制で,会期中に5回の講座を開催いたします.なお,本セミナー企画には,公益財団法人コニカミノルタ科学技術振興財団様より,若手の育成を目指すことの趣旨に対して,ご支援をいただいております.

今年は一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)の創立50周年という記念すべき年でもありますので,JIRA・JAMIT大会共同企画シンポジウムを,特別企画1として開催します.「AIの画像診断への応用:産官学の視点から」と題して,著名な3名の講師による講演と討論が行われます.医療行政の動向,産業界の取組,国内外の動向などについて情報提供をしていただくとともに,AIの研究開発から実用化への道筋を強化するための活発な意見交換,討論が期待されます.また,Googleの特別講演とも連携し,特別企画2として,病理・細胞画像解析のセッションがあります.

オーガナイズドセッションとして,3つをご提案いただきました.これらは,放射線治療分野,画像データベース分野,多元計算解剖学分野(若手セッション)になります.それぞれの分野の最先端の情報交換や議論が,活発に行われると確信しています.

3日目の7月29日(土)は,同じ会場で医用画像認知研究会との併催になります.また,同日のランチョンセミナーと特別講演2は共同開催となりますので,より活気の増すセッションになるものと期待しています.

7月29日(土)には,「全国選抜長良川中日花火大会」が開催されます(3万発,30万人が鑑賞).お時間が許せば,大会終了後に,是非,この花火大会をお楽しみください.

末筆ながら,本学会長の尾川浩一先生,大会運営に終始ご尽力いただきましたプログラム委員長の原 武史先生(岐阜大学)はじめプログラム委員の諸先生方,各種のご協力・ご支援を賜りました業務委員の皆様,常任幹事の皆様,ランチョンセミナーや広告など大会運営支援でご協力・ご協賛いただきました各種企業・団体の皆様,学会事務局のメイプロジェクトの皆様に,こころから感謝申し上げます.

岐阜は猛暑で蒸し暑い時期となります(クールビズでご参集ください)!

第36回日本医用画像工学会大会
大会長 藤田 広志(岐阜大学)

写真提供~岐阜市